フィードバック(負帰還)

フィードバック制御とは、入力と出力を持つシステムにおいて出力結果を入力側に帰還し、入力と出力を比較することによって所望の出力となるように制御する手法です。
このフィードバック制御は、特にネガティブ・フィードバック(負帰還)と呼ばれ、アナログ回路の設計ではよく用いられる手法です。負帰還という手法を用いることにより、高精度の信号処理が可能となります。

1. 負帰還を用いた回路技術について

電子回路の設計で負帰還は図1 のようなブロック図で表されます。

 負帰還のブロック図
 図1. 負帰還のブロック図

ここで Vin を入力信号、 Vout を出力信号とします。出力信号 Vout は図のように β 倍されて入力へと帰還され、 Vin と差分をとります。これを数式で表すと以下のようになります。

Vout = A × ( Vin −β Vout )

これを変形すると以下のようになります。

Vout/Vin = A/( 1 + β A )

= 1/( 1/A + β ) ・・・ (1)

電子回路の設計では、よく図1 の A の部分にオペアンプを用います。オペアンプとは電圧増幅率が非常に大きな回路です。

よって、式(1) の 1/A は非常に小さな値となり、以下のように表すことができます。

Vout/Vin = 1/β

このように、オペアンプを用いた負帰還回路では電圧増幅率が 1/β と、 β のみの値で決定します。


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2. 負帰還回路の注意点

負帰還回路の設計で注意しなければならないのは「発振」です。「発振」というよりは「暴走」と言った方がイメージ的にはより正確かもしれません。発振は、マイクとスピーカーの間で起きる「ハウリング」と呼ばれる現象とよく似ています。

ハウリングとは、カラオケボックスなどでスピーカーから「キーーーーーン」と高い音が出力されることがあります。

この現象がなぜ起きるかというと、まず、ごくごく小さな音をマイクが拾ったとします。すると、マイクが拾った音は増幅されスピーカより出力されます。この増幅された音をマイクが再び拾う・・・ ということを繰り返すうちに非常に大きな音となってしまいます。

負帰還回路の設計でも、設計を間違えると同様のことが起きます。先ほども述べた通りオペアンプの増幅率は非常に大きいので、一瞬で「暴走」してしまいます。このことを「負帰還回路の安定性」の問題といいます。