PWM信号を作る

PWM信号とは、パルス幅を自由に変えることができる信号で、このページでは三角波からPWM信号を作る方法を使います。次のページで学習するLED回路において、LEDの明るさを調整するために必要なのがPWM信号です。

1. PWM信号とは

PWM信号の「PWM」とはPulse Width Modulationの略で、パルスの幅を自由に変えることができる信号のことを言います。図1 (a) の信号はパルスの幅と 0V の期間が同じです。

PWM信号
図1. PWM信号

この状態をデューティーDuty)50%と言います。この図1 (a) の状態だけではなく、同図 (b) や (c) のように自由にパルス幅を変えることができる信号がPWM信号です。つまり、デューティー(Duty)を自由に設定できるということです。

それでは次に、PWM信号の作り方について説明します。


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2. PWM信号の作り方

それではPWM信号の作り方について説明しましょう。いくつか方法はあるのですが、その中の一つに三角波を用いた方法があります。当サイトでは三角波を用いた方法について説明したいと思います。

図2 (a) に示すのが三角波です。ここで重要なのが実践編「3-3. コンパレータ(比較器)」で説明したコンパレータ比較器)を使うということです。

三角波
図2. 三角波

図2 (b) の赤い点線がコンパレータ(比較器)の判定電圧だと考えてください。一方、三角波は比較対象の電圧です。コンパレータは、比較対象の電圧が判定電圧より高いと電源電圧 Vcc を出力します。逆に、比較対象の電圧が判定電圧より低いと 0V を出力します。

図3 に三角波とコンパレータの出力の様子を示します。

三角波からPWM信号を作る様子
図3. 三角波から PWM信号を作る様子

同図 (a) は、コンパレータ(比較器)の判定電圧が高いときの様子を示しています。このとき、コンパレータの出力は、パルス幅の狭い波形になります。同図 (b) は、コンパレータの判定電圧が低いときの様子を示しています。このとき、コンパレータの出力は、パルス幅の広い波形になります。

このようにコンパレータの判定電圧を上げたり下げたりすることで、出力するPWM信号のデューティーDuty)を自由に設定できます。

さて、それではPWM信号を発生する回路を作ろうと思います。コンパレータについては、実践編「3-3. コンパレータ(比較器)」で実験したものを使います。一方、三角波についてですが、思い出して頂きたいのが前章で学習した矩形波(方形波)発生回路です。矩形波発生回路の回路図を図4 (a) に示していますが、B点の電圧は同図 (b) のような波形です。

矩形波発生回路の回路図と動作
図4. 矩形波発生回路の回路図と動作

きれいな三角波とは言えませんが三角波に近い波形で、図4 の B点の波形からでも十分PWM信号を作ることが可能です。この図4 (b) の B点の波形を「疑似三角波」と呼ぶことにします。それでは次に、疑似三角波とコンパレータ(比較器)を使ったPWM信号発生回路を作ることにしましょう。

なお、図4 (b) の B点のような波形ではなく、きれいな三角波は次の章「三角波発生回路」で作ることにします。

3. PWM信号発生回路の実験

それでは、矩形波(方形波)発生回路コンパレータ比較器)を使用してPWM信号発生回路を構成してみましょう。図5 にPWM信号発生回路の回路図を示します。

PWM信号発生回路
図5. PWM信号発生回路

図5 のPWM信号発生回路をブレッドボード上に構成したものが図6 の写真です。

PWM信号発生回路を構成した様子
図6. PWM信号発生回路を構成した様子

回路を構成したら、まず B点の電圧と D点の電圧を確認しましょう。可変抵抗 VR の値を変えて、図7 のような波形にしてみましょう。(もしうまくいかなければ、もう一度 図5 を見ながらやり直しましょう。)

オシロスコープの画像(1)
図7. オシロスコープの画像 (1)

※ オシロスコープの入手方法については、実践編「1-5. 格安オシロスコープ」をご参照ください。

図7 は B点の波形と D点の波形を同時に表示させたときの画像です。赤い波形(画像はオレンジ色に見えるかもしれません)は B点の波形で、黄色い波形(画像は白色っぽく見えるかもしれません)は D点の波形です。

図7 は、ちょうど図3 (a) の上の図のような波形です。この状態で Vout の波形を確認すると、図8 のような波形になっていると思います。(図3 (a) の下の図のような波形です。)

オシロスコープの画像(2)
図8. オシロスコープの画像 (2)

図8 のような波形を確認できたら、もう一度 B点の電圧と D点の電圧を確認しましょう。可変抵抗 VR の値を変えて、今度は図9 のような波形にしてみましょう。

オシロスコープの画像(3)
図9. オシロスコープの画像 (3)

図9 は B点の波形と D点の波形を同時に表示させたときの画像です。赤い波形は B点の波形で、黄色い波形は D点の波形です。

図9 は、ちょうど図3 (b) の上の図のような波形です。この状態で Vout の波形を確認すると、図10 のような波形になっていると思います。(図3 (b) の下の図のような波形です。)

オシロスコープの画像(4)
図10. オシロスコープの画像 (4)

それでは次のページ「4-3. PWM信号を使ったLED回路」で、LEDの明るさを調整する回路について学びましょう。