コンパレータ(比較器)

このページでは、コンパレータ比較器)の動作を理解します。前のページで学んだ抵抗分圧に加えてコンパレータを理解できれば、矩形波発生回路方形波発生回路)の理解に大きく近づきます。

1. コンパレータ(比較器)の動作

コンパレータ比較器)は、2つの電圧を比較するために用いられます。コンパレータ(比較器)はオペアンプを用いることで実現可能です。オペアンプは通常、フィードバック(帰還)を構成することで使用されます。

しかし、フィードバックを構成せずに使用することでコンパレータ(比較器)として機能します。(フィードバックについては基礎編「4-7. フィードバック(負帰還)」をご参照ください。)

それではまず、フィードバック(帰還)を構成しないオペアンプ単体の動作について理解していきたいと思います。

オペアンプの特性
図1. オペアンプの特性

図1 (a) はオペアンプのシンボル図で、同図 (b) はオペアンプの電圧特性を示しています。図1 の特性のようにオペアンプの2つの入力端子 VinpVinn に関して Vinp - Vinn が正の値(0より大きい値)なら、出力端子 Vout は正電源(Vcc)に張り付きます。一方、Vinp - Vinn が負の値(0より小さい値)なら、出力端子 Vout は負電源(0V)に張り付きます。

つまり VinpVinn の電圧を比較し、VinpVinn より高ければ出力電圧 Vout は正電源になり、VinpVinn より低ければ出力電圧 Vout は負電源になるということです。

ちなみに、本サイトの実践編で使用するオペアンプは「単電源オペアンプ」です。単電源オペアンプの場合、正電源は Vcc 、負電源は 0V として使用することができます。

それでは次に、コンパレータ(比較器)として使用するオペアンプICの使用方法について述べたいと思います。


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2. オペアンプICと電源

ここでは、コンパレータ比較器)として使用するオペアンプICの使用方法について述べたいと思います。

オペアンプICを使用する場合、電源電圧を与える必要があります。NEC製の単電源オペアンプ「μPC358C」を例に説明します。図2 が μPC358C の「ピン配置図」と呼ばれるもので、8番ピンの V+ が正電源、4番ピンの V- が負電源です。

μPC358Cのピン配置図
図2. μPC358Cのピン配置図

オペアンプIC「μPC358C」をブレッドボード上の配置し、電源を接続した例を図3 に示します。

オペアンプICのブレッドボード上の配置
図3. オペアンプICのブレッドボード上の配置

図3 のように接続することで、オペアンプICに電源が与えられ使用可能となります。

それでは次に、実際にコンパレータ(比較器)の実験を行ってみましょう。

3. オペアンプを使ったコンパレータの実験

それでは、オペアンプを使ってコンパレータの実験をしてみましょう。コンパレータの実験をするために、図4 の回路を構成します。

コンパレータの実験の回路図
図4. コンパレータの実験の回路図

コンパレータの入力には、前ページ「3-2. 抵抗分圧回路」で説明した抵抗分圧回路の出力が接続されています。A点の電圧は、前ページで説明した通り、R1R2 が同じ抵抗値なので電源電圧 Vcc の半分の値(Vcc/2)となります。

一方、B点の電圧も抵抗分圧で決まります。ただし、抵抗 VR は可変抵抗で抵抗値を変化させると、B点の電圧も変化します。

今回の実験では、B点の電圧を変化させてコンパレータの出力である Vout の電圧を確認します。図1 で説明した通り、A点の電圧である Vcc/2 に対して B点の電圧が高ければ Vout = Vcc 、低ければ Vout = 0V となるはずです。

それでは、ブレッドボード上に図4 の回路を構成してみましょう。図5 が実際にブレッドボード上に回路を構成した様子です。

コンパレータの実験の回路をブレッドボード上に構成した様子
図5. コンパレータの実験の回路をブレッドボード上に構成した様子

まずは Vcc の電圧を確認します。今回、私が構成した回路では Vcc = 6.23 V でした(図6 の左側)。また、A点の電圧は計算上 Vcc/2 の値となるのに対し、測定値は 3.10 V とほぼ理論通りの値となっています(図6 の右側)。

コンパレータの実験(1)
図6. コンパレータの実験 (1)

次に、可変抵抗 VR の抵抗値を変えながら B点の電圧を確認しましょう。図7 の写真では、可変抵抗を調整しながら B点の電圧を Vcc/2 より少し低い 3.0 V に調整しました。

コンパレータの実験(2)
図7. コンパレータの実験 (2)

そのときの Vout の電圧を確認したのが図8 の写真です。結果は予想通り 0V となっています。

コンパレータの実験(3)
図8. コンパレータの実験 (3)

今度は、図9 の写真のように、可変抵抗を調整しながら B点の電圧を Vcc/2 より少し高い 3.2 V に調整しました。

コンパレータの実験(4)
図9. コンパレータの実験 (4)

そのときの Vout の電圧を確認したのが図10 の写真です。結果は 5.04 V です。

コンパレータの実験(5)
図10. コンパレータの実験 (5)

予想は Vcc、つまり 6.23 V となるはずですが、オペアンプICの出力回路の構成により 6.23 V にはならないものと考えられます。簡単のため、とりあえず Vcc の電圧になると考えましょう。

上記で設定した以外の電圧で実験しても、図1 で説明したように +端子である Vinp の電圧と -端子である Vinn の電圧を比較して、Vinp<Vinn であれば Vout = 0VVinp>Vinn であれば Vout = Vcc となります。

以上が、コンパレータ(比較器)の実験です。次のページ「3-4. 矩形波(方形波)発生回路」では、矩形波(方形波)発生回路を構成し、実際に出力波形を確認していくことにしましょう。