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電子回路設計の基礎(実践編)> 1-5. 格安オシロスコープ

格安オシロスコープ

回路の各ポイントの波形を確認したい場合に使用するのが「オシロスコープ」です。電子回路の工作において、オシロスコープがあると格段に回路の理解が深まります。オシロスコープは高価な測定器ですが、最近では低価格のオシロスコープもあります。

1. 格安オシロスコープについて

回路の時間的な変化に対する波形を確認したい場合、「オシロスコープ」を使用します。電子回路の工作(電子工作)において、オシロスコープがあると格段に回路の理解が深まります。また、波形を実際に見ることができるため、効率的に回路を設計することができます。

オシロスコープで波形を確認している様子

図1. オシロスコープで波形を確認している様子

図1 にオシロスコープで確認した波形を示していますが、図のように回路の動作をモニタすることが出来て便利です。オシロスコープは高価な測定器で、一昔前までは安い物でも十万円近くしていました。

しかし、最近はネットショップで探すと3万円くらいで購入できるオシロスコープもあります。いろいろとネットで調べた結果、ここ最近は3万円前後が最安値といったところです。以下に紹介しておきます。(下のリンクから購入することができます。)

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オシロスコープを使うにはプローブが必要ですが、2本入っています。取扱説明書は、70ページくらいの英語の説明書の他に、20ページくらいの日本語の説明書があり助かりました。日本語の説明書は要点がまとめられており、プローブの補正方法から水平/垂直軸の設定、トリガの設定やその他機能の設定など一通りの設定方法が記載してあります。

2. 格安オシロスコープの性能

オシロスコープの性能で最も重要なのが「サンプリング周波数」です。簡単に言えば、どれくらい高い周波数までオシロスコープで表示することが出来るかが、サンプリング周波数で決まります。

更に言えば、このサンプリング周波数の性能が良いほど、一般にオシロスコープの価格は高くなります。当然、先ほど紹介した格安オシロスコープにも、見ることのできる周波数に制限があります。

格安オシロスコープのサンプリング周波数に性能は 100MS/s (1秒間に10の8乗回サンプリングする)ですので、数MHz~10MHz(メガ・ヘルツ)の波形までなら十分見ることが出来るでしょう。
※ サンプリング周波数と見ることのできる周波数の関係については後述します。

また、FFT機能が付いているのも魅力的です。通常は周波数スペクトルを見る場合、「スペクトラム・アナライザ」という測定器を使います。この測定器は高価なのですが、オシロスコープにFFT機能が付いていればスペクトラム・アナライザがなくても周波数スペクトルを確認できます。

オシロスコープのFFT機能を使うことで、波形にどんな周波数成分が含まれているかを確認することができます。

3. サンプリング周波数について

先ほど、どれくらい高い周波数までオシロスコープで表示することが出来るかが、サンプリング周波数で決まると述べました。そこで、サンプリング周波数と見ることのできる波形の周波数の関係について説明したいと思います。

このページで紹介した低価格格安オシロスコープのサンプリング周波数は 100MS/s です。単位はメガ・サンプリング パー セカンド(秒)、つまり1秒間に10の8乗回サンプリングすると言うことです。

例えば、オシロスコープで周波数 10 MHz のサイン波(正弦波)を見たとしましょう。下図 (a) に 10 MHz のサイン波を示します。周波数が 10 MHz なので、周期は 100 ns(ナノ・セカンド)です。

サンプリングの様子

図2. サンプリングの様子

1秒間に10の8乗回サンプリングすると言うことは、100 ns の時間の間のサンプリング回数は 10回ということになります。つまり同図 (b) のように、サイン波の1周期の間に、オシロスコープは10個のポイントで波形を取り込みます。この波形を取り込む動作を「サンプリング」といいます。

図2 の例では取り込む波形はサイン波(正弦波)でした。しかし、矩形波(方形波)のように時間に対して電圧の変化が大きいときがある場合は、1周期のサンプリング回数が多くないと実際の波形を正しく取り込むことができません。

以上で説明したことをまとめると、100MS/s のオシロスコープで正しく見ることが出来る波形の周波数は、波形の形にもよりますがだいたい数MHz~10MHz くらいまでということになります。

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