電子回路設計の基礎(実践編)> 1-6. 「はんだ」を使わない電子工作
「はんだ」を使わない電子工作
電子工作で使用する工具の中に「はんだ」があります。しかし、電子回路の学習や実験であれば必ずしも「はんだ」と使用する必要はありません。このページでは、「はんだ」を必要としない電子回路の学習方法を紹介します。
1. 「はんだ」について
まず始めに、知らない方もいると思うので「はんだ」について少し説明したいと思います。
「はんだ」とは、電子部品の組み立てなどにおいて部品同士を接続されるために用いられる合金です。電子工作では「はんだ」を融かすために「はんだごて」が用いられ、「はんだ」を融かして部品同士を接続する作業を「はんだ付け」と言います。
「はんだ付け」をすることの利点は、金属(はんだ)を溶かし金属同士の接合を行うことで電気的な接続を強固にすることができるところです。また、基板に電子部品をしっかりと固定することができます。
しかし、電子回路の学習や実験であれば、必ずしもはんだ付けをする必要はありません。むしろ学習や実験の場合、試行錯誤がつきものです。一度はんだ付けしたものを、もう一度取り外すのは手間です。
それに、はんだを溶かすために用いる「はんだごて」は高温になるため、使用にはそれなりの注意が必要です。また、はんだ、はんだごて、はんだごて台といった工具を揃えなければなりません。
以上のことを踏まえて当サイトでは、はんだ付けを必要としない学習方法を紹介しています。
ブレッドボードと絶縁テープ
はんだ付けを必要としない学習を行うために、まず必要なものは「ブレッドボード」です。それに、配線同士をつないだり電子部品に配線を固定するために「絶縁テープ」を使います。
以下、詳しい説明をしていきます。
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2. ブレッドボードを使う
はんだ付けを必要としない学習を行うために、まず用意するものは「ブレッドボード」です。ブレッドボードとは、電子部品や配線を差し込むだけで電子回路を組むことの出来る基板のことです。ハンダ付けが不要なので、手軽に実験や試作をすることが出来る便利な道具です。
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写真のように、部品をさすだけで回路を組むことができますし、取り外すことも簡単です。そのため、失敗しても何度でもやり直すことができます。
3. 絶縁テープの使用方法
配線同士をつないだり電子部品に配線を固定するために「絶縁テープ」を使用する方法を紹介します。
まずは、配線同士をつなぐ方法について紹介します。下の図のように2本の配線を接続する場合、まず始めに、それぞれの金属配線部分をねじって結線します。
2本の配線を接続する様子
配線が絶縁被膜に覆われて、金属配線の部分が見えていない場合は「ワイヤーストリッパー」で絶縁被膜を剥がしましょう。
(ワイヤーストリッパーの使用方法については、実践編「1-3. 必要な工具・測定器」で説明しています。)
ねじって接続しただけでは、使っているうちに解けてしまいます。そこで使用するのが「絶縁テープ」です。下の図のように絶縁テープを巻き付けることで固定することができます。また、絶縁テープは名前の通り、結線部分を電気的に絶縁する目的もあります。
絶縁テープで固定する様子 (1)
上の写真の左側は絶縁テープを巻き付けている途中の様子で、最後まで巻き付けると右側のように完成です。
次に、電子部品に配線を固定する方法について紹介します。下の図のように金属配線の部分を電子部品の穴に通し、ねじって固定します。
電子部品に配線を固定する様子
更に、下の図のように絶縁テープを使って固定します。
絶縁テープで固定する様子 (2)
以上で述べたような方法を使うことで、はんだ付けをしなくても配線同士をつないだり電子部品と配線を固定することができます。